ブックサンタになった。
※イブまでやってるらしいよ!!!
知る
皆さんは「ブックサンタ」という取り組みをご存知だろうか?
NPO法人チャリティー*1サンタによって2017年から始まった活動で、困難な状況下にある子ども達に本をプレゼントできるというものだ。
参加方法はいくつかあり、本を寄付したり、運営費用をCF*2したり、サンタに扮して実際に本を届けに行ったりできるらしい。
特に本を寄付する場合は「ブックサンタです」と名乗ってお会計するだけでその後一切合切の処理をすべて書店が担ってくれるというお手軽親切設計になっている。一般参加サンタの支払額は本の代金だけなので、結構な運営費がかかってるんじゃないだろうか。
オンライン会議中にネットサーフィンをしていたサボリーマン*3の俺は、この活動に参加した一般サンタの日記をnoteで読み、さっそく便乗することにしたのであった。
冒険失敗
仕事終わりにウキウキで書店へ向かった。
俺が買おうと思っていた本はこれ。「冒険図鑑」。
物心ついたときから家にあった本で、登山・キャンプ・釣りのようなアウドドアアクティビティから地図の読み方・防災対策まで、とにかく男児の冒険心をくすぐる一冊。クソガキのバイブルと言っても過言ではない。*4
大人になって読んでみれば、子供向けに分かりやすく噛み砕かれた入門的な内容だなぁと感じるものだが、幼い俺少年にとっては渋い挿絵と明朝体がものすごくカッコ良く感じられた。
今でも本棚に並んでいる。
初版は1985年と、もはやキッズどころか俺すら生まれていない時代だが、この本の「良さ」は時代を経ても変わらないようで、バリバリ現役で刷られているのをリサーチ済みだった。
…が、しかし。
製造されているかどうかと店頭に置かれているかどうかは別。
端末で探しても、俺のバイブルは「店頭在庫なし×」だった。そこになければ無いですね。*5
選ぶ
しょうがないので、冒険図鑑に匹敵するようなクソガキのバイブルを探すことにした。
良さそうだな、と思ったのはこれ。学研の「キャンプのずかん」。
冒険図鑑に比べればかなりマイルドな風合いにはなるが、十分にワクワクするんじゃないかと思った。
…が、すんでのところで気づく。
本を贈られるのは、様々な原因から困難な状況にある子ども達。
そんな子たちがこの表紙を見て、この本を読んで、どう思うのか。「行ってみたい、やってみたいが止まらない!」状態になったところで、体験できるものはあるのか。
クソ無神経自己満足アラサー(自称サンタ)*6になるギリギリ手前で天啓を受け取り、本を選び直すことにした。
結局選んだのはこれ。「はじめての自然科学366」。
自然科学の"さわり"的な知識が366日分載っていて、この本だけで深くは学べないんだけど、いろんな方向の興味に気づくキッカケになるかなと思って選んだ。
紆余曲折あったけど、我ながら良い着地点だったように思う。
噛みしめる
レジで店員さんに「これ、ブックサンタで…」と伝えたところ、「あ、はい…」と同様のテンションで受け取られた。入射角=反射角である。
活動参加特典としてステッカーをもらった。
こうやって全国で購入された書籍を集めて、管理して、適切に分配するんだから、かなりの運営費がかかるだろうに、ノベルティまでくれるなんてありがたい話だ。
「喜捨」という概念がある。仏教由来の言葉で、「施し」という行為は力関係の優位を得たり見返りを求めるものではなく、むしろ①功徳を積む機会を貰っている、あるいは②物や金銭という「俗」から離れられるという考え方だ。*7
俺はスーパー俗人間なので②の考え方には同意できないが、①については今回非常に同意できた。*8
子どもに本を買ってあげるなんて行為は、アラサー独身男性にとっては自分のためにブランド品を買うことよりもよっぽど難しい。そんな機会がどこにも無いからだ。
仕事をして、自分の私利私欲を満たすために浪費して、を繰り返していると、だんだんと世界との繋がりが希薄になってくる。自分の存在価値が分からなくなってくる。
「ブックサンタ」は、そんな俺に「子どもを喜ばせる機会」を提供してくれたわけだ。
ありがとうブックサンタ。アラサー独身に存在価値をプレゼントしてくれて。
ブックサンタ公式サイト曰く、期間はクリスマスイブまでらしい。
リアル書店じゃなくてオンラインで購入することもできて、この場合は年代別で「サンタにおまかせ」という便利な商品も存在する。つまり金は出すから選定はプロにおまかせというもの。いいじゃんこれ(知らなかった)。
本、カラー大判とかじゃなければ、高くても¥2,000ぐらい。
自分のための¥2,000とはまた違った充足感が得られる。俺サンタも嬉しい。どこかの子どももたぶん嬉しい。
特別な誰かのためにプレゼントを買う人もいるかもしれないけど、そうじゃない人も誰かのためにプレゼントを買ってみませんか?
ボーナスで自転車を買ったの巻
ごぶさた
どーも。
ブログを書くのはだいぶ*1久しぶりです。
「ゲームを遊んで感想を書く」というのがこのブログ開設の目的だったのですが、サラリメンの疲れた脳みそには「新しいゲームに手を出す」という行為がかなり消費カロリーの大きいものになってしまい、最近では惰性のようにオーバーウォッチ2をプレイしては台パンをする、非生産的な日々を過ごしてきました。
これじゃあブログのネタが生まれないのも無理はありませんね。
毎日のオバッチの感想を書くと"Fuck"と"Shit"の日替わりランチになっちゃいます。
♨
で、久々になんか書こうかな、なんかネタあったかな、とピンポン玉ほどの脳みそを絞ったところ、そういえば最近大きな買い物をしたことを思い出しました。
良いものを買ったという自負があるので、自慢するべく久々に筆を取った次第であります。
筆じゃないですね。キーボードですね。
Masi "Fennec" Flat 8 Italian Olive
というわけでドン!
タイトルにもあるように自転車を買いました!
Masi(マジィ)というイタリア発祥のブランドの"Fennec" Flat 8、色はItalian Olive*2!
自転車の分類としては、タイヤの径が小ぶりな「ミニベロ」というものです。
...
や!めっちゃ良い!すっげえカッコいいしオシャレだし個性的!
ぶっちゃけますと私は自転車の性能に関して知識がなく、見た目で選ぼうと考えていたので、この"Fennec"はそのクールな外見で選考基準を大幅に満たしているというわけです。
そのために自転車屋はかなり下調べしました。
オシャレな自転車を取り扱っている店が良いな。買うならミニベロかクロスバイクだな*3。そのへんの大学生が乗っているのと被りたくないな。と、自転車ライダーが聞いたら助走をつけて殴ってきそう*4な浅い願望のもと、仕事中に社用PCを叩いて勤勉熱心にリサーチをしました。
この結果、めっちゃいい店に巡り会えて、懇切丁寧にミニベロ・クロスバイクの特徴を説明してもらい、じゃあミニベロにしよう。と行き着き、この"Fennec"を迎えたというわけです。
でも、お高いんでしょう?
みなさんやっぱり気になりますよね。お値段。
わざわざボーナスで買ったってことは結構"する"んじゃなかろうかと推察されていることでしょう。
気になるお値段は…
はい。諭吉10人です。
来年から栄一になりますね。
そんなことはどうでもいいの!なんと10万円しました!
これは私の人生の高額買い物ランキング三位に堂々ランクインします!
一位・車、二位・ウズベキスタン旅行、三位で"Fennec"です!!
や、一応「6~8万ぐらい奮発しよう…!」と腹はくくっていたのですが、見事な予算オーバー、K点超えです。
悩みました。
「他の店で安価なものを買っても"Fennec"への憧れは残るんだろうなぁ…」「でも今までママチャリで何の問題もなく生活してきたのになぁ…」という二律背反にしばらく苛まれました。
しかし、Twitterで見た140万円の業務用ミシンを買った人の漫画が決め手となりました。
140万円のミシンを買うたろきちの漫画 pic.twitter.com/ON2plSkX8I
— たろきち (@oratFFFF) 2022年9月16日
『一度強く欲しい!!と思ってしまった以上…お前はもう買っても買わなくても後悔する運命にある!!』
『買わなかった後悔はどうしようもない!』
『そして買っても後悔する(中略)預金通帳を見て後悔するだろうナァァァッ!』
『だけどたろきち 買わない後悔と違ってよ…買った後悔はなんとかできるよな?』
『買った後悔は変えられる!!買った人間のがんばり次第で!!』
これは投資だ…!
これだ!これなんですよ!
私が今回自転車を新調するに当たって、見た目を重視した理由は「オシャレになりたいから」です。
そしてオシャレになりたいそもそもの理由は「そろそろ彼女を作らないと本格的にヤバい」からです。
最後に彼女が居たのが高校一年のとき。現在26歳。長男。先月墓が新調されました。
跡継ぎ、嫁、彼女以前の問題で、そもそも未婚女性の知り合いが片手で数えるほどしかいません*5。
ハイそこの読者、頼むから手遅れなんて言わないでください。泣きますよ。
そしてクリスマスを過ぎて乾きはじめたケーキとなった私が捻り出した策が、
◆オシャレになろう
◆街に出よう
という抽象的な目標でした。
世間との接点を増やし、価値観を共有し、自らを露出すれば、何らかのキッカケはあるだろう。無くても何らかの経験は蓄積できるだろうと目論んだ、精一杯の方策です。
まず服を買いました。これで都会のドレスコードは多分クリアしました。
そして街に出る、というところで「洒落た街は駐車場が無いため車移動は難しい」「自転車は壊れかけのママチャリ」という障壁にぶつかりました。
私の住んでいるエリアは福岡市博多区の中心地ではあるのですが、中途半端に博多駅に近いことが災いし、最寄り駅が徒歩20分かかる博多駅なのです。トホホ。
また、私が進軍を目論むオシャレエリア『中央区』はわざわざ交通機関を使うにはやや近すぎるような微妙な距離感で、気になるお店も散在していることから、移動には自転車がベストな選択肢というわけです。
…
これから買う自転車は自転車にしてただの移動手段に非ず。
オシャレエリアに進軍するための通行手形であり、ひいては幸せな未来を築くための足掛りとなる…!
…という覚悟を胸に、私は出血大奮発をカマして10万円の"Fennec"に賭けたワケです。
自転車の詳細紹介
ま、10万円とは言っても、チェーンやスタンドなどの装備品を含めた総額です。
自転車屋さんのキャンペーンで10%OFFとなったので、キャンペーンがなかったら"Fennec"だけで10万円くらいしてそうですね。*6
♨
改めて、今回買ったのはMasi "Fennec" Flat 8 Italian Olive size46。
他にもマットメタリックな青などもあって、そっちもカッコよくて浮気しそうになるんですが、色々見た後にこのイタリアンオリーブを見ると「うわ…これが一番ええやん…」と帰結します。『ToLoveる』で例えるならララのような存在です。*7
8段変速付き。元々乗っていたママチャリがギア無しだったので、あんまり使うことがないんですが、小径ながらギア8にするとしっかりと重くて漕ぎ応えのある比重になります。(こういう表現でいいんかな?)
ライト。伸び縮みするゴムのバンドを引っ掛けて装着する。USB充電式。
光り方のパターンが豊富で、点灯・点滅・目のように光って左右にギョロギョロ、などがある。自転車屋の店主曰く「ガンダムのザクみたいで面白いですよ」とのこと。
色も沢山ありましたが、私と店主の2票を得て、満場一致で緑色の量産ザクが選出されました。
ベル。チヮ~ン…という上品な音を出す。
鐘部分を引っ張り下げると固定が緩くなり、自転車が揺れるだけで「チン…チン…」と小さな音を出してくれます。下ネタじゃないです。
これは実はめちゃくちゃ便利な機能で、例えば歩行者が多い道を通らねばならないときに、「勝手に音を出してくれる」んです。
自転車(軽車両)が歩行者に対して意図的に警笛を鳴らすことは道交法*8で違反となるんですが、このベルは勝手に鳴ってしまうので、意図せずに歩行者に自らの存在を知らせることができます。発案者にジュースを奢ってあげたい。
Seriaで買ったアヒル隊長。
めっっっっちゃ良くないですか?Twitterで見て一目惚れして、営業中にサボって買いに行きました。
頭のプロペラは風を受けると勢いよく回ります。
お尻部分をつまむと、「プ↓ペ↑」と想像通りの声で鳴いてくれます。
これの利点は、遠くからでも自分の自転車を見つけやすくなることと、醸し出す絶妙なチープ感が盗難防止に一役買う(気がする)ところです。
一人で走りながら、周囲に人が少ないときにプペプペ♪と鳴らしてみると、ついつい笑みがこぼれてしまいます。*9
チェーンキーくん。
鍵ではなくダイヤル式なので、鍵を探す一手間が省ける…かもしれない。
普段は自転車のこの部分に巻きつけてあります。
輪にしたチェーンキーをタスキ掛けにして走っている駅伝ライダーをたまに見かけますが、真似をしてみたらチェーンに触れる首のところがカユくなってしまったので、この場所に落ち着きました。
スタンド。ちょっとしたこだわりポイントです。
細身のオシャレ自転車のスタンドは、片側に脚が一本出てくるタイプが主流なように思えるのですが、私のは脚が二本生えてくれるので、しっかり安定します。
元ママチャリ乗りなので、一本脚スタンドはちょっと不安定に思えてしまうんですよね。
でもこの部分に装着するタイプのスタンドは初めて見ました。
耐荷重は25kgなので乗っちゃダメですよ。
ちなみに走行のためにスタンドを上げると、どういう仕組みか分かりませんが片側に二本とも寄ります。
よくわからんがヨシ!
これから
"Fennec"を迎え、何が変わったかと言われれば、今のところ特に大きな変化はありません。
でも、明らかに休日に外出をする頻度が増しました。なにかこう、自信がついたような。外に出るのが楽しくなったような。
今の目標は、福岡市中央区のマイマップを作ることです。
中央区には「白金」とか「薬院」みたいな、洒落た雑貨屋・飲食店が集まっている字(あざ)があります*10。
そのようなエリアをGoogle mapで下調べしたうえで、実際にサイクリングをして、自分の好きな場所をGoogle マイマップにまとめるのが、現在の目標です。
先述の漠然とした大目標、「オシャレになろう」「街に出よう」の過程・手段として、我ながら良いアクティビティを思いついたな、と満足しています。
元から雑貨屋やカフェ巡りは好きですからね。
ま、今まで通りゲームに時間を費やしますし、自動車の運転も好きなので隣県までのドライブに行ったりもすると思います。
ただ、今回買った自転車が、休日の(生産的な)選択肢の1つになればいいな、と思います。
"Fennec"を受け取った帰りに、とても綺麗な夕焼けに遭遇しました。
これもなんかのキッカケかな、と思ってInstagramを再稼働させました。
(とは言っても気になる雑貨屋や喫茶店の情報収集が主な用途ですけどね。)
これからもどうぞよしなに。
♨
【積みゲー消化日記】マーセナリーズブレイズ 黎明の双竜
今回遊んだゲームの紹介
今回遊んだのは『マーセナリーズブレイズ 黎明の双竜』。
Steam版で2021年に購入してたみたい。
ジャンルはタクティカルシミュレーションRPG。
マス目上に区切られたフィールドで敵味方が順番に行動して戦闘する人気のシステム。
FFタクティクスとかファイアーエムブレムとかファミコンウォーズとか、各々でなにかしら思い出すシリーズがあるんじゃないかな?
舞台は中世ファンタジー。主人公は傭兵部隊隊長で元貴族。定番。
シナリオも「汚職の蔓延る王国で黒幕の陰謀を打ち砕く!」という王道。
システム面としては使用可能キャラクターが8名。物語の進行に応じて順次加入。
ジョブチェンジシステムもあって、各キャラクターごとに中級ランクのジョブが2つ、派生する形で上級ランクのジョブが2つずつの計4種類存在する。
当然スキル振りによるアビリティ取得もある。
高さや機動力、背後攻撃といったこのジャンルあるあるのシステムもしっかり押さえてある。
行動は素早さ順とかではなくて、味方/敵サイドを交互に行うシステム。
ステージはメインストーリーで22面。そのうち8面以降は2ルートに分岐する。
サブステージが17面。レベル上げが出来たり強力な装備品が入手できる。
エンディングをひとつ迎えるとさらに強力なアイテムが入手可能なEXステージが4面開放。
そしてEXもクリアするとやりこみステージが10面開放されるというシステムだ。
感想
よかった。
良クオリティの良ボリューム。満足。
やはり王道や定番には人に好まれる理由がある。
良かった点
▷起伏が少なくクセのないストーリー
王道で定番の舞台設定から繰り出される、どストレートな英雄譚。
やたら複雑な厨二感あふれる用語や寒いネタなどが一切挟まることがない。
最初から最後まで期待値の範疇を上にも下にも逸れることなく物語が進行した。
▷戦闘バランスの取れたキャラクター陣
こういったゲームではどうしてもキャラクターごとに性能の差が出やすい。
特に相手にダメージを与える役割のキャラクターが便利で、「便利だから使う→経験値が集中する→他のキャラクターとの差が大きくなる」という悪循環が生まれがちだ。
しかし今作ではそれぞれのキャラクターにしっかりと役割があり、また回復や補助魔法の使用にも経験値が与えられるため、殴り屋と後衛の差が大きくならないようになっている。
▷スキル振り直しの気軽さ
今作では「ジョブチェンジ」「スキル振り」といった定番の機能があるが、転職は何度でも可能、スキルの振り直しも店売りのアイテムで何度でも可能という非常に親切な設計で、キャラクターの育成において気軽に試行錯誤が行えた。
▷各面におけるレベルデザインの適切さ
それぞれのステージがちょうどいい難易度だった。
異常に難しくもなく、ぬるすぎることもなく、しかし無計画に突っ込むと負けてしまう。
少し装備やスキルを整えて頑張ればクリアに手が届くちょうどいいラインだった。
▷「魔法品」というランダム要素
今作ではランダムに能力値の増減や特殊効果のついた「魔法品」と呼ばれる装備品を敵ドロップから入手することができ、これらは他の装備品と合成することで、特殊効果を引き継ぐことができる。
これにより「レベルを上げて一番いい装備を買う」というシンプルで退屈になりがちなキャラクターの強化手段にランダム要素が加わり、ただレベルを上げてお金を稼ぐための手段だったサブステージに「もしかしたら強力な魔法品が落ちるかも」というワクワクを持たせられている。
気になった点
▶全体を通しての薄味感
良かった点にて「起伏がない」ということを挙げたが、驚きや感動が少なかったのも事実だ。
ストーリーにしてもシステムにしても初めて見るような物事はなく、「まあそうだよね」「そうなるよね」という相槌を打っていたら終わっていた、という感覚がある。
▶基礎スキルポイントの固定
良かった点にて「スキルポイントの振り直しが何度でも可能」と書いたが、ひとつ問題点が残る。
それは途中加入キャラクターはすでにスキルポイントが割り振られた状態であり、振り直しアイテムを使用しても加入時点で割り振られたスキルポイントはリセット出来ないという点だ。
これにより、例えば上級ランクのジョブに転職して「広範囲に火の玉を降らせる呪文」を獲得したとしても、初級ランクの「一箇所に火の玉を降らせる呪文」を加入時点で習得していた場合はこの呪文習得に消費されたスキルポイントは戻らない。
後半になるにつれ有用なスキルは限られてくるため、出来れば初級ジョブの弱い呪文にはスキルポイントを使いたくないのだが、こればかりは融通が効かない。
▶クリアに至るまでの選択肢の少なさ
ゲーム紹介にステージ数を記載したが、今作はメイン22+サブ17+やりこみ14面。
まず一度エンディングを迎えるまでやりこみ14面はプレイできない。
サブステージの17面はストーリー進行度に応じて開放される。基本的にはメインステージを1つクリアするごとに1面開放される。
そしてサブ17面も初回クリア時の報酬が大きいだけで、二度目以降は経験値+お金がわずかに得られて、魔法品のドロップが期待できる程度である。
つまり、その進行度ごとにプレイする価値のあるステージが「次のメインストーリーの面」と「最後に開放されたサブステージ」しかないのである。
いくら魔法品ドロップのワクワク感があるとはいえ、次のメインステージをクリアするまで稼ぎのために1つのステージを繰り返すというのは楽しいことではなかった。
せめて進行度ごとに「クエスト」や「依頼」のようなタスクを導入したり、キャラクターを掘り下げるサブストーリーをプレイ可能にすれば、プレイの幅も広がるのではないかと思った。
キャラクターのジョブチェンジに必要なアイテムが店売りなのはもったいないじゃないか。
まとめ
王道っていいよね。「お前もかよ」ではなく「おっ君もそうかい」みたいに趣味の合う人を見つけた気分になる。なるか…?
若干の物足りなさはあるけど、これ定価で¥2,200のゲームなんでね。コスパで考えたら良い買い物ですぜ。
開発元の「ライドオン」って会社はあんまり知らなかったんだけど、ガラケー向けゲームを多くリリースしてて、この「マーセナリーズ」シリーズも実はガラケー時代から脈々と続いてきた伝統あるタイトルらしい。
というか「勇者のくせになまいきだ」とか「不思議の国の冒険酒場」作ってるところだったわ!ワシ知らんかった!これは恥ずかしい!
この作品の後も「マーセナリーズ」シリーズは1作リリースされていて、偶然にも最新作「マーセナリーズラメント 銀狼と巫女を廻る七つ」が来月発売らしい。¥2,200で。
積みゲー減らそうと思ってたのに…増えるじゃないか…^^
[↓今作]
[次回作]
[最新作はまだSteamに載ってなかった…]
【積みゲー消化日記】The Office Quest
ヘタレ流消化術
HowLongToBeatというWebサイトがある。
ゲーマー有志が作品ごとのクリア時間を記録し、おおよその平均クリア時間が分かるというサービスだ。
熟練プレイヤーによるRTA記録が投稿されるSpeedrun.comとは異なり、一般プレイヤーによる初見クリアタイムが分かるため、作品のボリュームを判断するために非常に便利なのである。
筆者はヘタレなので、これを悪用(?)してチョロいゲームを優先的に消化することにした。
部屋の掃除をするときはまず床のゴミから拾い始めるタイプ。
クリアまで30時間かかるゲームなんてノンノン。両手を超える数字は数えられないだべよ。
狙い目は2~5時間くらいのひとくちサイズ!
200前後ある未プレイリストからチョロそうな作品の名前をHowLongToBeatで検索する。
そして見事ユーザーのニーズにコミットしたナウな作品がこちら
The Office Quest
みんなキグルミを着た世界で生きる社畜のおっさんがオフィスから逃げ出して、キレイなキラキラを追いかけるゲーム!(ガンギマリ)
ジャンルとしてはポイント&クリックのアドベンチャー方式。ルート分岐とかはなくて一本道。
チャプターごとに「上司が見張っている」「信号が変わらない」のような理由で足止めされるため、それをパズルやアクションで解決する、といった方法で物語が進む。
消火栓を作動→上司を動かして突破!のような単純なものから、AのためにBが必要でBのためにCが必要で…のようなわらしべ長者じみた複雑なものまで様々な行動を取る必要がある。壁面にこっそり暗号が書かれていたりするから油断できない。
また、パズルは本当にパズルだった。「狼と羊を川の向こうに渡すアレ」とか、「1~3の範囲で交互に数えて最後の数字を言ったら負けのアレ」のような本格的なパズルをガチのAIが仕掛けてくるため、かなりホネがある。
かんそう
感想としては文句なしのひとくちサイズ良ゲー!
なにか気の抜けた世界観とそれを演出するデザインや音楽。
謎解きの難易度もちょうどよく、その気になれば画面全クリックで強行突破も可能。
ファンシーな世界観だけどセピア色、キグルミだけど社畜、というミスマッチ感も面白く、それでもあくまで目標は「キラキラ」を追いかけることという、ちゃんとファンシーなストーリーなところがちょうどいい塩梅だった。
中盤では道中で出会った鳥キグルミのギタリスト?と二人旅になるが、このキャラがとても良かった。
調べてみたらスマホ版があるみたい。
プレイするならスマホがいいよ、このカジュアル感はスマホ向き。
言語が登場しないから小学校中退で識字能力がない人にもオススメ。
ぜひ晩酌のオトモにどうぞ。
【積みゲー消化日記】2021年7月 4本
まえがき
俺は最近、積みゲーを驚異的な速さで消化している。
積みゲーとは『買ったはいいが何らかの理由によりプレイされることなく放置されているゲーム』のことを指す。
自己都合で積み上げたのに「消化」とはなんたる言い草かとゲームの神様に怒られてしまいそうだが、それでも眼前にそびえ立つ山の高さとそこから生ずる義務感に駆られたプレイは「消化」と言うほかあるまい。
なぜこれまで積みゲーを増やす専門だった俺が突然消化マンと化したのかというと、理由は至って単純で「無職」になったからである。
そんなことはどうでもいいので、早速消化した積みゲーたちの感想を書く。
Empire of Sin
1920年、禁酒法時代のシカゴを舞台にしたマフィアのシミュレーションゲーム。
プレイヤーは最初に複数人のボスから一人を選択し、そのボスの率いるマフィア勢力の拡大を目標にプレイをすすめる。
敵対する勢力のシマを奪う戦闘はFFTAでおなじみのターン制タクティカルコンバット。
奪ったシマで裏酒場や醸造所を営んで金を稼いで、各拠点の設備投資に充てたり新たな構成員を雇ったりするという行動が取れる。
既存のゲームに例えるならKOEIの太閤立志伝Vにものすごく近い。ボリュームはあちらのほうが格段に上だけど、世界観やBGMでは区別できてるからヨシ!
攻略法が見えてくると高給取りの超強力構成員を雇って、給料日までに敵拠点を潰しまくって略奪した金で支払いを行うという自転車操業プレイが続き、戦闘もスナイパーライフルを持った構成員を大量に並べて、スタート位置から開幕射撃で敵を複数人倒すという長篠の戦いじみたワンパターン戦法で片付いてしまうが、まあそこは仕様の穴を見つけてしまった俺が悪いということで。
雇用可能なキャラクターすべてが名前付きの固有キャラクターで個別ストーリーがあるのが良かった。
でも定価¥4100はちょっと高いかな~。まだ発売からそこまで経ってなくてセールにも限度があると思うので、バンドルとかに入ってるのを見たら選べばいいかも。(俺は40%OFFで購入)
聖剣伝説3
言わずと知れた名作シリーズのリメイク作品。
スク○エニは往年の名作にUNKOを塗りつけるようなリメイク商法で知られており、とくに『2』のリメイクにあたる『聖剣伝説2 SECRET of MANA』は全米が泣き喚く作品としてあまりにも有名だ。
そんな悪逆無道の限りを尽くしてきたクズ○エニなので、正直『3』のリメイクは買わないつもりだったのだが、発売から一年経ってもレビューが好評なことに加え、「女の子のパンツが見える」という悪魔の囁きの唆されて気づけば購入していた。
結果としては大満足。美少女のパンツよりでちでち喋るようじょが可愛かった。
主人公の一人である「シャルロット」は身体的成長が遅い15歳のエルフという設定だが、どう見てもウザカワ系ようじょ。
どんけつアタックのときに叫ぶ「でっちぃ~~~!!!!」がとてもかわいい。
クラスチェンジのときに見せる小憎たらしいドヤ顔もかわいい。
なのに選べる6人の主人公のうちに人気投票では最下位らしい。納得できないでち。
システムは3DアクションADVになるのかな。原作が見下ろし2Dだったからそこまで激しい立体的な動きはないけれど、空中の敵に対してジャンプ攻撃という要素が増えている。
終盤はザコ敵が硬くなったり味方AIがクソアホだったりでちょっとグダつく区間もあるが、レベルを上げたり適切な強化呪文を使ったりすることですんなり進めるいいバランス。
6人のキャラクターから主人公一人と仲間二人を選んでストーリーを展開させ、それぞれのキャラクターごとに異なるストーリー展開や会話パターンが生まれるから、理論上6周楽しめることになる。
定価¥6578は国内大手メーカー価格だな~って感じだけど、セールではしっかり値引きされるので、¥4000切るくらいのタイミングで買えばコスパ抜群の作品。
VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action
言わずと知れた名作。知らないなら買え。
舞台は政治や警察が腐敗しきった街のバー「VA-11 Hall-A」。
バー協会より「VA-11」地区の「Hall-A」として認可を受けたバーだから、並べて読んで「ヴァルハラ」。オッシャレ~
プレイヤーはバーテンダーの「ジル」(27♀)となり、多種多様な客の話を聞きつつ、注文を受けたカクテルを提供する。というゲームデザイン。完全にADVゲーム。タイトルの「バーテンダーアクション」は大嘘である。
まあこれだけならタダの酒作りシミュレーターなんだけど、今作はとにかくテキストのアクが濃い。
キャピキャピした美少女ADVの雰囲気や大人の洒落たBARな雰囲気は一切無く、裏社会で生きる人間や腐敗に疲れきった警察が愚痴を言いたい放題こぼしてくる。
主人公のジルも客に引けを取らないやさぐれガールで、酒にタバコに失恋に…とにかく世の中の自称メンヘラどもとは比べ物にならない。
発売直後にクリアはしてたんだけど、あの頃は日本語がついてなかったし俺の英語力も未熟だったから、内容をほとんど理解できていなかった。
今回は公式和文付きで初プレイ+ED回収でプレイしたけど、やっぱり濃いゲームだった。
とてもアクが濃いテキストなので、人を選ぶかもしれない。"シモ"の話がとくに多いため、ギャルゲー的なものを期待すると大きな肩透かしを食らうかもしれない。
あと客によって話のテーマは違うが、サラリーマン男女ペアと配信ガールの客のテキストはクソおもしろくなかった。あそこいる?(問題提起) いらない(断定)
でも定価¥1500は安いと思う。晩酌のオトモにプレイすれば一週間は遊べるボリューム。
今作はベネズエラのインディースタジオの制作。プレイすれば分かるけど、ところどころのセンスは「これ作ったの日本人だろ」と思わせるレベルで、こちらのサブカル文化への造詣を感じさせる。
脱線するけど、犯罪と汚職にまみれたこのゲームの舞台ってベネズエラだよなぁ…
Moonligter
これまた有名なインディー作品。
舞台は突如現れたダンジョンから持ち帰った物品で交易を行うことで栄えた村。
プレイヤーは雑貨店の店主として、ダンジョンへ「仕入れ作業」に出かけるというゲームデザインだ。
ダンジョンは入るたびに内部が再生成される「ローグライク」とか「不思議のダンジョン」とか言われる形態で、戦闘はテンポの早いアクションで行われる。
無事に持ち帰ったアイテムは自分で値段を決めて店に並べる。開店ボタンを押せばモブ客たちがゾロゾロと店内に入り、適正価格であれば商品を購入してくれる、という流れだ。
適正価格はアイテムごとに固定で、販売に成功した価格や客の反応はノートに記録される。
ダンジョン探索を行い、得たアイテムを販売、稼いだ金と素材で装備を強化、より難度の高いダンジョンへ、という王道を往くハック&スラッシュ。ダンジョンは全部で4つとラスボス戦闘で構成されていてボリュームはやや控えめ。クリアまでのプレイ時間は20時間弱だった。
良いところを挙げるならゲームのコンセプトとグラフィック。
ローグライクダンジョンと店舗経営を組み合わせるなんてアイデア、面白いに決まってる。これだけでホームランだ。
そしてグラフィック。言うことなし。上記のコンセプトにこの絵を見せられちゃったら、そりゃもう買うしかない。テクニカルノックアウト。俺のセコンドからタオルが投げ込まれた。
ただいろんなところにボリューム不足は感じた。
ダンジョンの数(四個)はインディー作品としては適正に思えるが、装備の段階分けも4つしかないのはレベルデザインの調整が荒い。
いちおうバリエーションは武器種5種類と防具が軽中重の3種類で幅があったが、段階分けの奥行きが無いために、装備を揃えなければダンジョン攻略が非常に困難、揃えてしまうと非常にイージーというなんとも大味な調整だった。
それぞれの武器に攻撃力特化ルートと属性ダメージ特化ルートもあったが、そもそも4段階の中で攻撃力or属性を選ぶほか選択肢が無いために、「このボスは火属性に弱いからこの武器で行こう」みたいなプレイができず、ただ挑むダンジョンに適正段階の武器で攻撃力特化か属性特化を選ぶのみであった。
せっかくアイテムが豊富に出るんだから、せめてレベルは8段階欲しい。
敵ごとに弱点を設定して対応する属性で殴るとダメージ追加みたいな要素も欲しかった。
また雑貨店経営についても、「拾ってきたアイテムを売る」「依頼を受けたアイテムを拾ってくる」のみであり、ダンジョン以外から仕入れたり加工したりという機能は存在しない。
アイテム販売数によって適正価格が±10%変動する要素もあったが、基準価格は固定のため、相場を大きく動かすような要素もない。
ダンジョンで拾ってきた不要なアイテムを基準価格でただ置くだけの作業になってしまうのは非常に残念なところだった。
そしてレベルデザインと雑貨店経営の雑な合わせ技一本として、ゲーム内のインフレがギンギンに決まっていた。
武器の攻撃力・防具の防御力・所要通貨のインフレがとにかく激しいのに、例えば在庫を絞って需要が上がったところに高価格で売って金を稼ぐというような経営テクは一切ないために、ワンパターンの作業となってしまうのだ。
よって後半は無心でダンジョンに繰り返し飛び込み、持ち帰ったアイテムを思考停止で基準価格で販売し、稼いだ7桁の代金で武器(防具三箇所もそれぞれ7桁価格)を強化して次のダンジョンへGOという非常に作業じみたものになってしまった。
店舗や倉庫の拡張もできるけど、あんまり必要なかった。
定価¥2050は決して高いとは思わないし、このゲームだけを見れば十分に遊べるんだけど…
だけど…
『ルセッティア ~アイテム屋のはじめ方~』っていう超スーパー上位互換な作品がすでに10年前に出てるんすよ!
絵やグラフィックはちょっと古い同人っぽいけど、戦闘も店舗経営も圧倒的にボリューミー。定価イチキュッパ。これを経験しちゃうとMoonligterが物足りなく感じちゃう。
Moonligterはインディーの名作として知られる作品で、頻繁にセールされてたりバンドルに含まれてたりするから、格安で手に入ったならプレイするといいと思うよ。
買え!オススメ!とまではあんま言えない。
おわりに
いかがでしたか?(クソサイト)
いざプレイを始めてみればハマって一気に終わらせちゃうんだけど、始めるまでがなかなか難しいのよね~…。重い腰が上がらん。
今回プレイした4作品はライブラリのなかでも優等生なほうで、積みゲーのなかには『ちょっと触ったけどクソ面白くなかったヤツ』とか『なんで買ったかよく覚えてねえヤツ』が大量に紛れ込んでる。
どこまでをプレイして、どこからを切り捨てるのかを判断することも積みゲー供養のひとつかもしれない。
こうして書き物として自分のプレイ体験を出力・発信・共有するのは積みゲー消化のモチベ維持に欠かせないことにも気づいた。
現在ライブラリのゲームは約300本。(無料で手に入ったクソゲー・セット販売でついてきたクソゲーは消した。)そのうちクリア済みが 64本。明確なクリアが存在しないオンラインゲームが約40本程度あって、それらを除けばだいたい64/260でクリア率25%。
ホラゲーは苦手だからハロウィンセールで積みゲーが増えることはないだろうけど、クリスマスセールまでにクリア率30%は超えたい。
がんばれ、俺。
【プレイ感想】ワンダーボーイ:ドラゴンの罠
下書き供養
「ワンダーボーイ:ドラゴンの罠」をクリアしたよ。ひとくちサイズの良作だった。
本作は1989年発売の『Wonder Boy III: The Dragon's Trap』のリメイク版で、グラフィックが手書き調、音楽がオーケストラ演奏にアップグレードされて2017年にリリースされたもの。
ジャンルとしてはいわゆる「メトロイドヴァニア」。
上下左右にスクロールするマップを探索しつつ、道中で入手できるスキルで今まで行けなかった場所へアクセスして次の目的地を目指すという歴史ある人気システムだね。
本作の最も大きな特徴は、スキルを手に入れて進むんじゃなくて獣人に変身して進むというところ。
敵ボスの呪いや道中の台座で異なる姿に変化して、ネズミなら壁を登り、ピラニアなら水中を泳ぐことで行動範囲を広げていく。
隠し要素コンプリートで総プレイ時間が8時間弱。
ちょっと攻略情報を覗いたりもしたので、普通にやれば10時間くらいかな?
定価は¥1,980だけど、3日分の晩酌のお供と考えればちょうどいい塩梅。
原作はレトロゲームだけど、それらしい理不尽ポイントや攻略本必須ポイントはなく、酔っ払っていても苦戦しつつクリアできる難易度もGOOD。
リリースから数年経っていることもあってバンドルやセールに入ることもあるから、安売りで見かけた際にはぜひ買ってみてね。
他のプラットフォームでも出てるよ。操作自体はシンプルだから、ベッドに寝そべってプレイできるSwitch版がオススメ。
【プレイ感想】Milanoir
Milanoir、クリアしたよ。
感想をひとことで言うなら、「おもんない」といったところ。
怒りの長文レビューをSteamにも書いたから、それを貼り付ける。
このゲームを例えるなら「一本道死に覚えダルマさんがころんだ」だ。
ストーリー
・低俗で単調な上に最後まで意味不明。
・イタリアンマフィアを描いたゲームとなっているが、
人名と銃を持って殺し合いをすること以外はイタリアンマフィア要素皆無。
ゲーム紹介文にイタリア犯罪映画とかミラノの町並みとか書かれているが、
別にマイアミでも香港でも成り立つ。言われなければイタリアとは思わない。
・日本人がチェックすらしてないであろう和訳文も相まって、退屈な罵りあいが始終続く。
・各章ごとに罠にハメられる・濡れ衣を着せられる→助っ人がやってきて脱出ばっかり。
・刑務所から出るイベントとラストシーンの辻褄が合わない。
・その上エンディングはあまりにもあっけなく、終始ハテナマークが浮かぶ。
ゲーム性
・「ダルマさんがころんだ」をしている気分。こちらが歩いたり止まったりする側。
・敵は数が多い上に命中精度100%で(画面外からでも)こちらを一斉射撃してくるため、
基本的に敵のリロードまで物陰でしゃがみボタンを押し続けるほかない。
・ザコ敵はやたらと固く、こちらの貧弱なピストルで4~5発撃たないと死なない(マグナム持ちの敵を除く)。
・途中からサブマシンガンになるためこれで解決かと思いきや、ピストルの一発=サブマシンガンの1バーストの火力のようで、
結局ピストルと同じ回数クリックしなければならない。
・包丁を持ったオバチャンがサブマシンガンで3バースト撃ってもこちらにノシノシ歩いてくる姿は恐怖だ。
・しかもサブマシンガンくんはかなり弾が散らばるため、ヒット率はピストルより悪い。
・初見殺しや画面外からの即死火炎瓶もある。
・特にマグナムを持った敵はこちらを一撃死させてくるのだが、
これがなんと入口に銃口を向けたままガン待ちしたりする。こうなるとほぼ詰み。
・トレーラームービーでは敵の中に突っ込んでの銃撃戦が映ってるけど、
こんなことしたら数秒で死にますからね。
・プレイテストをしていないのかプレイ時間を引き伸ばさせて返金時間を経過させたいのか知らないが、
難易度が異常に高い面がある。(中盤の列車二台が迫ってくるステージは特におかしい)
・看板を撃つと自動的に最寄りの敵まで跳弾して一撃で倒せるというギミックがあるが、
この看板は極めて気まぐれで、何度撃っても跳弾してくれないときがある。
また、看板ごとに対象となる敵はあらかじめ決まっているようで、
付近の敵を一掃したあとに遠くから敵を連れてきて看板を撃っても反応しない。
また対象となる敵についても、一度画面スクロールで表示させないと跳弾してくれない。
この看板は本当にひどかった。
一応リトライは早いのでストレスは低減されているけどそもそも楽しくない。
ストレス低減、楽しさフリー。マズい電子タバコかよ。
ゲーマーの意地もあるので最後までプレイしたが、だんだんとこのゲームをやること自体が
ストレスに感じた。
カットシーン終了時になにか方向移動操作をしていると、ニュートラルポジションがバグって意図する方向に移動できなくなることもある。
音楽についてはゲーム紹介文に「レトロ感溢れる1970年代サウンド」とあったり、
絶賛するレビューがあったのでいくつか聴き直したが、いやいや至って普通。
褒める点があるとすればドット絵くらい。
ドット絵はかなり綺麗で、好みだった。だからこそ買ってしまったんだが。
かなり広い聖堂外周ステージが上から下までスクロールするカットシーンは
非常に高精細で、このゲームで初めて喜びのため息が出た。
ドット絵職人さんありがとう。
ストーリーが陳腐かつ意味不明。アクションゲームとしても出来が悪く楽しめない。
クリア時間は約3時間。イタリアンマフィア映画の名作を見るほうがよっぽど有意義。
値段が高いとかコスパがとか、そういう話じゃなくて、買うことをおすすめしない。
・・・・・・
・・・
やっぱHotline MIAMIの影響を受けたのかな?
裏社会の見下ろしシューティングと言えばアレだもんね。
ただMilanoirは爽快感もスピード感も無いし、敵の配置を覚えて一本道を進むだけだ。
敵はやたらと硬いし、相手が使う強力な手榴弾やマグナムを使えるのはゲームを通して10回ほど。
じゃあストーリー面はって言われるとこれもまたひどい。
そりゃゲームだから戦闘しなきゃいけないのは分かるんだけど、
行く先々で包囲されたり、罠と分かっていて突っ込んだり、とにかく物語に緩急がない。
ハードボイルドな主人公が無双するのを描きたいのかもしれないけど、これただのバカですからね。
ドット絵は本当に良いんだよ。それに惹かれて買ったんだし。
世界観も期待させてくれた。”MAFIA”シリーズ大好きだからね俺。
トレーラームービーではアクション性も良さそうだった。
しかしまあ蓋を開けてみれば味のないガム。
めっちゃうまそうに見えるフルーツを口に入れたら味のないガム。
美味しいですよって宣伝されてるのに味のないガム。
オリーブタウンとかいうそびえ立つクソで大ダメージを追っている俺に追い打ちをかけないでくれ。
たのむ。