【プレイ感想】 魔物娘と不思議な冒険 ~力の宝珠と帰還の塔~
キュレーターのお誘いありがたいんですが…
— ねことかげ@自作ゲームお絵描き中 (@nekotokage9653) July 9, 2020
このゲーム、Hentai Gameでは無いんです…
Hentaiではない。
まえおき
「肉食系/草食系男子」なんて言葉が流行った頃、「軟弱な見た目でも中身は積極的な男」を意味する「ロールキャベツ男子*」なんて表現が誕生した。
*ただしイケメンに限る。
今回プレイした「魔物娘と不思議な冒険~力の宝珠と帰還の塔~」はまさにロールキャベツな作品だった。
タイトルが表すとおり、本作の登場キャラクターは「魔物娘」。
「モンスター娘のいる日常」や「けものフレンズ*」、近年では「異種族レビュアーズ」などのアニメが放映され、一気にニッチからメジャーまで駆け上がったフェチジャンル。オタクカルチャーの最前線と言えるだろう。
*あれは動物モチーフだけど、まあ似たようなもんでしょ。(雑)
そんなキャラデザをしているもんだから、第一印象は「どうせブームに乗ってとりあえず作っただけのキャラゲーでしょ。」という随分とスレたもの。古くから根強い人気を誇る「不思議のダンジョン」リスペクトと言われても、正直ゲーム性にはあまり期待できなかった。
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「不思議のダンジョン」は、日本ではチュンソフト社が制作する「風来のシレン」や「トルネコ」で知られる人気シリーズで、自動生成ダンジョンが生み出すランダム性から、「1000回遊べる」なんて売り文句が添えられるほどだ。
この「1000回」というのは、自動生成ダンジョンのランダム性だけで成立するものじゃない。
プレイヤーの知識や経験、冒険ごとに持ち越せる要素*、そして敵味方のステータスやアイテムのバランスがランダム要素に立ち向かい、上手く釣り合いが取れてないといけない。
*不思議のダンジョンシリーズの祖である”Rogue”というゲームは持ち越し要素が一切存在しない。そのため、ランダムに生成される道筋のなかで持ち越し要素が一切存在しないものは「ローグライク」と呼ばれ、何かしらの持ち越しが可能なものは「ローグライト」と呼ばれる。だいたい混同されて両方が「ローグライク」と呼ばれているのが現状だけど…
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俺は今作をSteamサマーセールで購入した。いや、気がついたら購入していた。
Twitterにアクの強いゲームばかりをプレイするヤバめの人が居て、その人がこの「魔物娘」のことを頻繁につぶやいていたので、それに影響されたのだろう。
酔っ払っているときにSteamセールページを見てはいけない(戒め)。
サマーセールで7作ほど購入したなかで「もっとも手軽にクリアできそうだから」という理由で、「魔物娘」を最初にダウンロード。タスクは軽い方から片付けるタイプだ*。
*その後重いタスクに手を付けるかと尋ねられると耳が痛い。
…
………
なんだこれは。普通に、いやメチャメチャ面白いじゃないか!
「ブームに乗っかっただけの薄っぺらい作品」なんて思っていた自分をひっぱたきたい。本当に失礼ぶっこいた。
ということで、感謝やらお詫びやらの念を込めて、この「魔物娘」の紹介・感想を書く。
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ゲームには好みがあるから、万人に「絶対オススメ!」というのはなかなか難しい。だから俺の好みを晒すので、「ああこういう人間には合うんだな」と思ってほしい。
◎好き◎:2Dアクション, オープンワールドアクション, ストラテジー(ステルス系), ダンジョンクロウル(Wizライク), 牧場物語系シム
△苦手△:パズル, ADV, 街づくり, RTS, 雰囲気系(ウォーキングシム), タワーディフェンス, バトロワ系
Steamで好きな作品を5つ挙げるなら
・SaintsRow
・CrossCode
・The Messanger
・My Time at Portia
・REPLICA
いや自分でも傾向がバラバラでよく分からんから勘弁な。
あとメタ発言とかゲーム業界ネタとかミームがあると喜びます。
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ストーリー
冒険の途中、強力な魔物に倒されてしまった人間の主人公。
そのままタヒぬのかと思いきや、心優しいスライムの女の子に助けられて、魔物の村にたどり着く。
この村は人間好きな村長さんによって治められていて、村民*も主人公を助けてくれる。
*当然全員魔物娘。
ただ、近くにそびえる塔からは奇妙な霧が発生しており、これを浴びた魔物は人間嫌いになって攻撃的になってしまうとのこと。
争いを望まない村長さんは、主人公にこの塔の調査を依頼するのであった…
まったく行き倒れは最高だな!
ルーンファクトリーを彷彿とさせる、あらゆる前日譚をスキップした、唐突なハーレムの幕開けである。
主人公が冒険をしている経緯や記憶について一切語られないのが非常に潔い。
この主人公は一切の言葉を話さないし、表情すら変えない*。
王道を往く、無口主人公だ。
*アプデで常時ニヤケ顔から常時真顔に変更された経歴はある。
そしてこれはギャルゲーやHentaiの類ではないので、主人公と魔物娘との”””イベント”””などは一切存在しない。
そのため、主人公というよりは剣と盾を持ったカメラマンと言ったほうが妥当かもしれない。
魔物娘を仲間にする際も、台詞などの選択肢は一切無い。これについては後述。
ダンジョン
ダンジョン数は全部で9つ。
最初の1つをクリアするとひとまずのエンディングを迎えるので、いろんなゲームをつまみ食いしたいゲーマーにも優しい仕様だ。
その後5ダンジョンが開放される。それぞれが独自の制限*を持っているので、様々なプレイ体験が楽しめるだろう。
5ダンジョンをクリアした後に開放される3つはどれも求道者向けの超げきムズダンジョンだ。
*金属製装備品持ち込み不可など
このゲーム最大の特徴が「敵として登場する魔物娘を仲間にすることができる」という点だろう。「不思議のダンジョンで敵を仲間に…」と聞くと「ポケモン不思議のダンジョン」が思いつく。
ただこのゲームは仲間にする方法がユニークで非常に面白い。
特定のアイテムを渡す、敵の攻撃を食らって状態異常になる/ならない、拳で分かり合うなど、魔物娘の個性によってその方法は多岐にわたる。
魔物娘というオタクなテーマでありながら、「口説く」なんて軟派な選択肢は一切存在しないのだ。(オタクはナンパなんてできないからね、仕方ないね。)
「仲間に誘う」というコマンドからヒントを聞くことができて、村に設置された図鑑からは正解を見ることもできる。
ぜひ一度は攻略サイトや図鑑を見ずに試行錯誤してほしい。
魔物娘は通常攻撃に加えて、それぞれの特殊行動を持っている。
これは仲間にしても変わることはないから、強力な敵を仲間にすれば冒険が非常に楽になる。遠隔攻撃を射線上の味方に誤爆するのはご愛嬌。
相手を石化させたり、味方ユニットを召喚したりする超有能魔物娘も居れば、主人公をバーサーク状態にして操作不能にしたり、味方を巻き込む爆発矢を発射したりする困ったちゃんも居るので、いろいろ試しがいがある。
連れ歩き人数は二人までだから、ぜひとも最強のふたりを見つけてね。
魔物娘はダンジョンを出てもレベルがリセットされない。これは非常に大きい。
主人公は毎回Lv.1からスタートするけど、魔物娘はレベルを引き継いで参戦する。
だから難関ダンジョンに徒手空拳で挑んでも、魔物娘がだいたいなんとかしてくれる。
ダンジョンのそのほかの要素については、未識別アイテムや罠、店、モンスターハウスなど、不思議のダンジョンシリーズに必要なものはしっかり揃っている。
街では武器防具の特性を合成するお馴染みのシステムもあるので、武器防具収集の楽しみもある。
感想
現在は最初のダンジョンと、クリア後5ダンジョンをクリアした状態。
「ブログ書くなら全クリしろよヘタレ」と言いたくなる雄弁な方もいらっしゃるかもしれないが、残りのダンジョンはとにかくムズい。鬼ムズだ。
持ち込み&連れ込み:一切不可のいわゆる「もっと不思議なダンジョン」は999階まであるらしい。200階ごとにショートカットが開通するとはいえ、このゲームだけに注力しても1ヶ月はかかるだろう。
それでも出来るところまでやってみようと思って魔物娘図鑑を埋めていたところ、事故により「巨大なドラゴンキラーィ+80(二錆必眠眠鈍鈍ちち)」を失った。
説明すると長くなるが、簡単に言えば「めっちゃ育てた武器」が消えた。
これにより、魔物娘図鑑完成やダンジョン踏破の道がアホみたいに遠のき、武器をチマチマ拾う作業を始めることになったため、モチベが一気に底に落ちた。
ということで…
最終ダンジョンとかはキミの目で確かめてくれ!(古くから伝わるゲーム記事で終盤を丸投げした際の便利ワード)